仏教には輪廻転生という考えがありますが、言葉を聞いたことがあっても意味までは正確に理解できていない人が多いです。この言葉が気になる人や仏教への理解を深めたい人は、輪廻転生とは何であるか知ることから始めてみてください。
輪廻転生とは、簡単に言ってしまえば何度も生まれ変わることを指している言葉です。輪廻は輪が廻ると書くように同じところをぐるぐると回っている様子があらわされており、転生は生まれ変わるという意味があります。2つの言葉を組み合わせると、ぐるぐると回るように何度も生まれ変わることを繰り返すという意味があることが分かるでしょう。
本当に輪廻転生はあるのか?
本当に輪廻転生はあるのか疑問に思う人もいるかもしれません。実は2018年頃に行われた調査では、約3分の1の人が輪廻転生はないと思っていると回答をしています。これはいくつかの分野に分けて調査することができますが、脳科学・哲学・進化生物学のいずれの分野においても輪廻転生については憶測の域を出ない状態であり、ハッキリ存在の有無が分かっているわけではありません。
仏教で説かれる輪廻転生では、死後に失われるのは肉体だけであり、生命や魂はずっと続いていくものだと考えられています。お釈迦さまは自身が開いた悟りによって本当の輪廻転生を理解しているとされており、輪廻転生後は6つの迷いの世界に辿り着くことになると考えたことを知っておくと良いでしょう。6つの迷いの世界は六道とも呼ばれるものであり、地獄・飢餓・畜生・修羅・人間・天上の世界です。前者2つは苦しみの世界、畜生は動物の世界、修羅は闘争の世界、人間は今人々が生きている場所、天上は楽しみが多いものの極楽浄土ではないとされている場所だと言えます。次に生まれる世界は死ぬまでの行いで決定されると考えられており、仏教ではこの6つの場所のいずれかに生まれ変わるとされていることを理解しておきましょう。
どういったものであるか分かってきたはずですが、このような生まれ変わりから逃れる方法を知りたい人もいるかもしれません。結論から言いますと、仏教では解脱によって生まれ変わりから逃れられると考えられています。ただし、解脱とは簡単なことではなく、生まれ変わりの根本原因をなくさないと解脱することはできません。仏教を学ぶことで生まれ変わらずに済む解脱を達成できる可能性もありますが、限られた人物しか達成できない高難度なものであることを覚えておく必要があります。